第8回国連「水と衛生に関する諮問委員会」
2007年5月30~6月1日
中国、上海
開催結果報告(仮訳)
1. 開会
諮問委員会議長であるオランダ国ウィレム・アレキサンダー皇太子殿下(オレンジ公)は、今回の会合における中国政府の歓待に対して感謝の意を表するとともに、第8回会合への委員会メンバーの参加を歓迎した。議長は、ニューヨークでの最近の会議において、新しく国連事務総長に就任したバン・ギムン氏が当諮問委員会の役割に対する十分な支援を表明したことを説明した。また、議長は翌日に予定されているアジアとの対話が委員会にとって重要な出来事となると述べた。
パトリチオ・チビリ国連事務次長補はオレンジ公の議長の下で、国連「水と衛生に関する諮問委員会」(UNSGAB)は国際衛生年(IYS)や水事業体パートナーシップ(WOPs)の進展を含め、重要な成果をあげてきたと述べた。また、諮問委員会を代表し、議長の精力的な取り組みについて述べるとともに、水と衛生に関するミレニアム開発目標(MDGs)達成に向けた深い関わりに感謝した。
2.議題の採択
新たに「コミュニケーション戦略」を加え、議題を採択した。
3.全体的な経過と実施
国連「水と衛生に関する諮問委員会」事務局長の廣木謙三(国連経済社会局)より橋本アクションプランの6つの行動分野について、諮問委員会の進捗状況報告を行った。
4.国際衛生年
議長と副議長のウッシー・アイト氏は、ニューヨークで5月7日に開催された国際衛生年(IYS)に向けた第1回準備会合の成果を報告した。この会合の成果であるIYSの目標(案)は、諮問委員会で共有され、若干の修正を加えた上で承認された。今後、諮問委員会からの正式な提言として国連事務総長へ提出される。事務局は、この目標についてウェブサイトを含めたネットワークを通して幅広く広めることに同意した。
国連経済社会局のケンザ・ロビンソン氏は国際衛生年の調整状況について発表した。世界トイレ協会のジャック・シム氏は、自身の協会の衛生へのアプローチについて、現在は需要が不足していることから、持続可能な衛生設備へのアクセスや、そのための財源に対するコミュニティーレベルの需要を形成する必要があると説明した。マーガレット・カトレイ・カールソン委員は、橋本アクションプランの中で述べられている4つの要素である意識喚起、迅速な行動の促進、能力の開発と応用、国家レベルでの衛生政策と計画策定への働きかけに焦点を当て、衛生に関するワーキンググループの進捗状況について報告を行った。メンバーは適切な技術の導入、羞恥心の除去やジェンダー問題を含む諮問委員会として注目している行動分野に関して議論を行った。
5.アフリカ連合水サミット
廣木氏はアフリカ連合水サミットに向けたプランは検討中であり、そしてアフリカ連合は、次の会合でこのプロポーザル(チュニスでの第7回諮問委員会で討議に付された)に取り組むか否かの意志決定をしなければならないと報告した。決定が肯定的であればUNSGABが、サミットに向けた準備アクションをおこすためにアフリカ連合を支援するであろう。プロセス、アフリカ水閣僚会議(AMCOW)といった重要な組織との協力、アフリカ連合サミットに向けたアプローチについて、メンバーより提案が行われた。事務局はフォローアップアクションを取るにあたり、これら提案を考慮する。
6.分科会の会合
橋本アクションプランの中の6つの章、すなわち、水事業体パートナーシップ(WOP’s)、資金調達、衛生、モニタリング、統合水資源管理、水と災害について分科会会合が開かれた。分科会では既に提出ているワークプランシートを元に、2007/2008年の分科会行動計画を発表すべく、議論が行われた。
7.G8水議論、日本、2008年
2008年に日本で開催されるG8サミットにおいて「水と衛生」の注目度を高めるための戦略を議論した。諮問委員会では、「水と衛生」を気候変動等、他の問題の副項目として扱うのではなく、独立したテーマとして提案することで合意した。また、事務総長に対する諮問委員会のアドバイスとして提出され、そしてG8に転送されることになる、橋本アクションプランを考慮したエヴィアン水行動計画のフォローアップレポートを準備することで一致した。G8首脳やシェルパへのレターの送付を含めたフォローアップアクションについて合意した。
8.アジア対話
諮問委員は、中国、インド、パキスタン、フィリピンの大臣、ベトナムとバングラデシュの副大臣を含めたアジア諸国の代表、アジア開発銀行、国連機関、ドナーや国際機関、その他のステークホルダー等との終日対話を行った。この会合の報告全会一致で合意され、UNSGABウェブサイトで入手可能である。議長はチェン・レイ中国水利部長とウルスラ・シーファー・プレウス アジア開発銀行副総裁に対話への支援に対する感謝の意を述べた。
アジア対話 -開会の言葉
国連「水と衛生に関する諮問委員会」議長 HRH the Prince of Orange
アジア対話の詳細(英語)>>
9.共同アクション声明に関するアジア開発銀行との話し合い
UNSGABメンバーは共同アクション声明に合意するため、シーファー・プレウス氏と彼女の同僚であるアジア開発銀行の水・衛生専門家のカリダイクリチ・シーサラム氏と会合を持ち、諮問委員会とアジア開発銀行の合同声明について議論が行われた。話し合いの最後には議長とシーファー・プレウス氏によって共同声明への署名が行われた。共同声明は、UNSGABウェブサイトにアップされる。
10.国連水関連機関調整委員会(UN- Water)との協力
パスクアレ・ステデュート UN-Water議長兼国連食糧農業機関(FAO)水部門長は、UN-Waterの背景について紹介し、衛生、越境水、統合水資源管理、水質汚染、水の価値評価、能力開発、水不足、水と女性・水への投資、異常気象といった分野におけるテーマ別のイニシアチブを説明した。国際衛生年や命のための水の10年、モニタリングと報告、IWRMといったUN-Waterとの協力によるいくつかの優先分野が特定された。諮問委員会はUN-Waterの目に見える強化に満足し、事務局に対してUN-Waterの活動と審議について定期的に諮問委員会で報告するよう要求した。UNSGABメンバーはステデュート氏の包括的な報告に感謝し、協力可能分野について議論を行った。
11.分科会議長によって提案された次のアクション
- 水事業体パートナーシップ(WOPs)
国連人間居住計画のバート・デュフォーン人間居住・投資部長は、世界水事業体パートナーシップ連合(G-WOPs)をナイロビにあるUN-Habitatの本部に設置しようという計画を共有した。アントニオ・ミランダ氏(分科会議長)は、G-WOPsのプロジェクトプロポーザルに対する助言を行うための水事業体と公共事業連合からなる諮問会議(案)の設立について、分科会会合でデュフォーン氏と合意したことを報告した。諮問会議はアムステルダムで2007年6月26日、27日に開催される。メンバーはデュフォーン氏の優れた努力に感謝した。
- 資金調達
マーガレット・カトレイ・カールソン氏は、分科会議長であるミシェル・カムドシュ氏の代理として次の6ヶ月でとるべき2つのアクションに焦点を当てた報告を行った。まず、インフラストラクチャーに関連する地域の資本市場を発展させることの必要性を強調する。次に、G8で議論するために、エヴィアン合意に基づいて何がなされたのかについてレビューを引き出す。資金調達から提出されたワークプランは、更なる活動が文書に追加されることを期待して承認された。
- モニタリングと報告
ジェラルド・ペイヤン氏(分科会議長)は、WHO-UNICEF共同モニタリングプログラム強化に関する分野においてとられた、アクションについて概要説明を行った。すなわち、各国政府に対して、国の中でアクセスカテゴリー別に水と衛生へのアクセスが出来る人数を毎年報告するよう説得し、世界・国家レベルでのモニタリングツールの有効性を高めた。
進捗がない国として判定されることに抵抗があることなど、モニタリングを取り巻く政治的にデリケートな部分について強調した。モニタリングと報告に関しての提出されたワークプランは承認された。
- 統合水資源管理
ボゴタでの会合後にCSD事務局との対話が始まることが予測されるものの、2007年11月までにCSD16に対するインプットへの明確な提案を用意することでメンバーは合意した。IWRMに関して提出されたワークプランは承認された。
- 水と災害
尾田榮章氏(分科会議長)は、水と災害におけるハイレベルパネルの準備が進行中であると報告した。廣木氏は、準備会合は既に実施されておりパネルはハン・スンス氏が議長を務められると述べた。何人かの委員は、コンセプト、アウトプット、議論の過程、パネル最終成果の審議に関する懸念を示した。メンバーはパネルの新しい名前を「High-Level Expert Panel on Water and Disaster」とすることについて合意した。このパネルでは橋本アクションプランの中の目標、すなわち、数値目標の設定を最終目的とするのではなく、水害の緩和や災害時・後の迅速な水と衛生の供給に関する目標を達成するための適切な方法に関するオープンな議論を行うべきである。尾田氏は、パネルは諮問委員会がアドバイスに基づいて運営されることを約束した。パネルの第1回会合は、2007年7月もしくは8月に予定されている。
- 衛生
最新の衛生分科会アクションに関する報告が配布された。初日の議論に基づいた衛生分科会のワークプラン改訂版が提出された。メンバーは改訂に満足した。アクションでは、助言と促進という諮問委員会の役割の特性を考慮しつつ、国際衛生年に焦点が当てられる。提出された衛生に関するワークプランは承認された。
12.次の委員会とアクション
UNSGABメンバーであるフアニタ・カスターニョ氏は、2007年11月14(水)~11月16日(金)にボゴタで予定されている次のUNSGAB会合に向けた計画について報告を行った。11月15日までコロンビアのカリで開催されることになっている衛生閣僚会議の機会を利用して、米州開発銀行(IDB)との地域対談が予定されている。彼女と事務局は、IDB、コロンビア政府、他の支援機関とともに会合への準備ついて話し合いを始める。数人のメンバーがUN-Waterとの労働管理に関する協力といった、次の話し合いの審議テーマを提案した。
尾田氏は、2008年春に日本で開催される可能性のある第10回会合に対する支援に関し、日本政府と連絡を取り続けると述べた。尾田氏は第9回会合で、その進捗について報告する。
13.その他の課題
諮問委員会のコミュニケーション戦略に関する提案書(案)が、アリアン・バレデュックス氏によって提出された。メンバーは、提案書に答える形で諮問委員会のためのコミュニケーション活動の重要な側面についてコメントを述べた。事務局は、この提案に感謝を示しつつも、今後、より頻度が高くなる諮問委員会の開催と、分科会のフォローアップ活動が優先事項であることを説明した。メンバーは、バレデュックス氏の貢献に謝意を表した。
14.閉会
議長から第8回会合では大きな成果が得られたと締めくくられ、当委員会メンバーでもあるワン・シェチュン氏(前中国水利部長)に委員会の開催と素晴らしい調整及び協力に謝意を表した。また、ボランティアの方々と太湖流域管理局に対しても感謝の意を述べた。最後に、UNSGAB全メンバーとUNSGAB事務局に感謝した。

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