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Meeting History

第7回国連「水と衛生に関する諮問委員会」

(UNSGAB)

2006年12月13 - 15日
チュニス、チュニジア
開催結果報告(仮訳)


はじめに

オランダのオレンジ公ヴィレム・アレキサンダー皇太子殿下の国連「水と衛生に関する諮問委員会」議長ご就任後、初の会議となる第7回会合が開催された。 2006年7月の橋本龍太郎初代議長ご逝去後、コフィ・アナン国連事務総長の委嘱により殿下の議長就任が実現した。議長および国連事務総長の代理として出席したレイチェル・マヤンジャ国連事務総長補佐は、7月以降、精力的に委員会をまとめてきたウッシー・アイト副議長に対し、感謝の意を表した。また、尾田栄章日本水フォーラム前事務局長、バサリー・トウレ前マリ財務大臣の2名が新たに委員に加わった。

12月14日には、諮問委員会とアフリカ連合、アフリカ水閣僚会議(AMCOW)、アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)、アフリカ開発銀行、各地域代表者とのはじめての地域対話が行われた。対話では、水と衛生に関するミレニアム開発目標達成のための共同声明および、共同行動計画が発表された。

水と衛生に関するアフリカ地域対話

12月14日、諮問委員会議長およびドナルド・カベルカ アフリカ開発銀行総裁により終日セッションが開始された。マリア・ムタガンバウガンダ水・環境大臣・AMCOW議長と諮問委員会議長が対話の共同議長を務めた。国連「水と衛生に関する諮問委員会」事務局からは橋本アクションプランについての説明が行われ、AMCOW技術顧問委員会からは協力に向けた戦略的優先事項を定めた課題文書が発表された。

2008年国際衛生年を最大限活用するためには、衛生に関する定義が明確であるほど良いことが参加者間で合意され、衛生を個人衛生、住居の衛生設備、下水処理の三分野に分割することの有効性が述べられた。アフリカ代表者は衛生に関する資金調達が困難である(資金は水供給にまわりがちである)こと、衛生に関する所管は複数の省庁にまたがるため、責任が分散していることが多く、結果として十分な取り組みがなされていないということに対する歯がゆさを述べた。衛生に関するイニシアティブとともに、国の衛生政策の有用性・必要性について検討が行われた。対話での意見を国際衛生年に活用することが満場一致で合意された。

参加者は、水と衛生に関する打開策実現のための政治意思の集約について、また政府高官の支持を得るために国連「水と衛生に関する諮問委員会」が果たすべき役割について検討が行われた。合意された行動計画には、アフリカ連合首脳による水と衛生に関するサミットを支持すること、資金提供機関との水と衛生に関する会議を開催すること、2008年に日本で開催されるG8サミットにおいて水と衛生が議題となるよう努力することなどが含まれる。

アフリカ代表からの社会資本の整備が緊急の課題であるとの表明を受け、諮問委員会委員は、各国がいかにして必要な社会資本整備のための資金を調達するかについて議論を行った。参加者からは、社会資本の整備はアフリカが気候変動への対応する上で重要な役割を果たし、気候変動への対応策の一部となることが指摘された。諮問委員会は、社会経済開発および、環境管理に必要な水の確保のための水と衛生に関する社会資本整備におけるアフリカ諸国政府の取り組みを支持し、その達成に向けた最善策を探るための対話を継続する。

アフリカ開発銀行と国連居住計画(UN-HBITAT)は、水事業体パートナーシップ(WOPs)を共同で支援することに合意した。また、諮問委員会は、防災対策に関する分野横断的制度の発展や連携強化に全力を傾けていく。

対話のメインテーマは“分野横断的アプローチ”であった。例えば、2006年人間開発報告書(国連開発計画)によると、“衛生は現在可能な一次医療の最善策”であり、水と衛生に対する投資は5倍から20倍の医療費削減につながるという報告もある。さらに、ダムなどの社会資本によりアフリカは、水に関する未利用の水力のうち96%が開発され、かんがいのための貯水により農業分野にも利益があるといわれている。このような“分野横断的アプローチ”によって、ミレニアム開発目標を含めたアフリカ諸国の開発が達成されるものと考えられている。

セッションの結論として全参加者の賛同のもと、“水と衛生に関するアフリカ対話共同声明”がまとめられた。この声明により、諮問委員会とアフリカの各機関の連携が強化され、合意された行動計画が促進されるものと期待される。諮問委員会を代表し、ウッシー・アイト氏がこの行動計画の実行を主導することとなった。諮問委員会議長とマンドラ・シズウェ・V・ ガンショーアフリカ開発銀行副総裁は、橋本アクションプランおよび共同声明を実現するための具体的行動に関する協定にサインを行った。

諮問委員会は、この対話に対するアフリカ開発銀行、ドイツ技術協力公社、日本国政府の支援に感謝の意を表した。対話の事前準備は、ウッシー・アイト氏主導の下、AMCOW、アフリカ開発銀行、諮問委員会事務局の協力により行われた。

第7回会合

「橋本行動計画」の各テーマに関する現在までの進捗状況について報告が行われ、今後の取り組みについて合意した。さらに、テーマ別作業部会のメンバーが明確化され、それぞれの座長を決定した。作業部会の座長は2月中旬までに、政策を前進させるために誰が何をなすべきかを含む、会議で提示された質問について回答を行うこととなった。

1.水事業体パートナーシップ(WOPs)

 国連居住計画は、ナイロビでグローバルWOPsセンターの主催団体となることを発表した。また、アジア開発銀行とGWPの努力によって、アジアWOPsの準備活動が相当程度、進捗していることが報告された。
世界規模でのWOPsを活発化させるために国連経済社会局の主催によって実施されたイベントである、アジア(7/25-27,2006)とアフリカ (12/6-8,2007)で開催された、水関連施設の効率的活用のためのパートナーシップに関する人材育成ワークショップについての情報提供が行われた。

 当作業部会の座長はアントニオ・ミランダ委員に決定した。

2.資金調達

橋本行動計画の推進に向けて47の主要国際機関を対象に書簡が発送され、その結果、8つの共同声明について合意あるいは合意しつつあることが報告された。
OECDや地域開発銀行との協力関係樹立における進捗とともに、G8等、既存の政治的枠組みを活用することの必要性について議論が行われた。委員会では、書簡や直接の連絡を通じて、さらなる主要機関との協力に向けた対話を行っていくことで合意した。いくつかの機関については、諮問委員会との本格的な対話や行動の対象とする。

 当作業部会の座長はバサリー・トウレ委員に決定した。

3.衛生

 12月中に、日本政府等の主導により国連総会で採択予定である「2008年国際衛生年」において諮問委員会が果たすべき役割について議論が行われた。委員会では、アフリカとの対話における成果や議論を活用すること、対話での提言を行動に移すことで合意した。コミュニケーション戦略の重要性が強調された他、調整組織となる国連経済社会局を支援していくことが合意された。また、アイト副議長から紹介されたスラムにおける衛生状態の実情に関するフィルム、ラ・オ・カスティーリョ委員によるECO-SANに関する発表によって、「2008年国際衛生年」の促進におけるコミュニケーションと、新技術の重要性が認識された。

 当作業部会の座長はマーガレット・キャトレイ・カールソン委員に決定した。

4.モニタリングと報告

橋本行動計画に記述されているジョイント・モニタリング・プログラムへの協力や、連携のための世界保健機構とユニセフに対する書簡の発送について議論が行われた。委員会では、水供給や衛生の報告における統計上の整合に関する重要性や、様々な機関のデータや結果を融合することの重要性について共通認識を得た。

 当作業部会の座長はジェラール・ペイヤン委員に決定した。

5.統合水資源管理(IWRM)
2008年の国連持続可能な開発委員会においてIWRMの進捗状況について報告することを加盟国に呼びかけた、オカンポ国連事務次長からの書簡について議論が行われた。
委員会では、2007年コペンハーゲンで実施されるIWRM会議の機会を捉え、各国に適用できるモニタリングガイドラインを決定するために、会議の奨励と政治的なプロセスに焦点をあてた書簡の発出が必要であるという認識で合意した。

 当作業部会の座長はジュディス・リース委員が務めるが、当面の活動についてはマーガレット・キャトレイ・カールソン委員が支援することで合意した。

6.水と災害
 水と災害に関するハイレベルパネル設立に関する現状報告と議論が行われた。ハイレベルパネルは、国連機関、支援国政府、関係機関によるボランティアベースで実施されるものであり、橋本行動計画においてその設立が奨励されている。委員会では、最終成果や提言が橋本行動計画に沿ったものとなるよう、目標の必要性と性質についてハイレベルパネルで明確化することを提案した。委員会は、ベルリンで合意された目標が、現時点では最終目標ではないことを確認した。そして、ハイレベルパネルに2つのサブグループを設置することが提案された。すなわち、目標の設定と実現可能性について検討を行うグループと、災害発生時・後の水と衛生設備の供給に関する備えについて検討を行うグループである。また、災害発生時・後の水と衛生設備の供給におけるWOPsの果たすべき役割の重要性が強調された。作業部会の座長は、早急にハイレベルパネルの仕様書を作成することとなった。

 チュニスの会合まではファニタ・カスターニョ委員、その後については尾田栄章委員が座長を務める。

おわりに

次回の諮問委員会は2007年5月に中国の上海で行われることとなった。
議長から委員へ精力的な働き、献身、熱意に対する感謝とともに、各委員の今後の活動に対する期待が表された。


Discussion at the 7th sessionAfrican regional dialogue on water and sanitation at the 7th session




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